WILL ~あなたの願い、叶えます~
私、何か、やらかしましたかね。
ちゃんとご命令通り休日返上して、ギリギリだった大量の預かり板の納期も全部、クリアしたはず、なんだけど。

びくびくしながら、でも思い返す限り、店長に名指しで怒られなきゃならんような失態は犯してないハズ。
そう思って、顔色を窺っていると。


「くっ」


……喉で、笑った。
嗤った!?


「あのさあ、お前」

「な、なんですか。なんか馬鹿にしてます!?」

絶対、麻里ちゃんの大声のせい!
あいつ、毎度毎度……許すまじ!!


「いや。……若いね? もう次の男見つけたの」

口角を片方だけ上げてニヤニヤと笑う店長に

「やらしい! セクハラ!」

そういうんじゃない、と言い訳するのも馬鹿らしくて、問答無用の回し蹴りを叩きこむ。

「うん、元気だね」

まったく堪えてない上に、また気安く頭をぽんぽんと叩かれて、そのまま売り場に送り出された。
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