WILL ~あなたの願い、叶えます~
なに、この仕打ち。


カッとなって、寝起きの彼氏の鳩尾に一発ぶち込んだ。

咳き込む彼を尻目にそのまま部屋を飛び出そうとして、まだ治まらない気が、武器になりそうなものを探させた。


運悪くポケットから出てきたソレを彼氏に向かって投げつけた、はずなのに。

残念ながら高ぶりすぎた気持ちのせいか狙い通りに飛ばなかったソレは、ベッドのヘッドボードに当たってふたつに割れた。


最悪!


とうに寿命も近かった、長年使いこんだガラケーの残骸には目もくれず。

もうひと滑りするはずだった2日目をふいにして、誰にも何も言わずに、1人で荷物をまとめて帰宅した。
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