WILL ~あなたの願い、叶えます~
周りが協力的な姿勢を見せた途端に、なんだか一気にめんどくさくなった。

「いいよ、滑ろうぜ」

だって結局誤解なんだから。

俺別に、悪いことしたわけじゃねえし。
アイツが勝手に怒って、話も聞かずに暴走しただけ。

せっかくみんな楽しみにしてきた滑り初めの旅行をおじゃんにして、全員を巻き込んでまでアイツの機嫌を取る必要なんてない。


「え、お前それでいいの?」

「つか、克之がそれ言う?」

聞かれて、突っ込み返す。
ぷっと周りが吹き出して、張りつめていた空気が緩んだ。
< 74 / 353 >

この作品をシェア

pagetop