WILL ~あなたの願い、叶えます~
なのに。

デリカシーのないことを言った俺を蹴っ飛ばして、デカい声でぷりぷり怒るわけだ。


なんだ。

ふうん。

元気じゃん。


本当にもう、別れた――んだよな?


呆れるほどに機嫌が良くなって、笑いを堪えるのに、必死だった。


「クリスマス、彼氏の代わりにゲレンデ連れてってやろうか」

去り際に残した言葉は、半分本気。
いや、9割本気。

だけど本気に聞こえないようにしか言えないのは、ビビりな俺の、ただの保身。

情けねえ。
けど、これだけで、結構満足。
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