WILL ~あなたの願い、叶えます~
行き場をなくしてくすぶっていた感情が一気に暴れ出したことなど、その日の内に自覚していた。


現実には大して詰めることのできない距離を、それでもほんの少しでも近づきたくて。

裏でこそこそと動く姑息な自分を、だけど無垢で無邪気なあいつには知られたくなくて。


本当は、

『本当の俺』を、見て欲しくて――。


矛盾した思いに揺さぶられながら、それでも仕事に追われる、忙しい日々だった。
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