教室チェンジ
「あ……あ」

声が私じゃない。この声は間違いなく片山くんのものだった。

ベッドから立ち上がると頭がズキズキする。たんこぶができてるみたいだった。

見える世界が違う。視界がいいし、視線が高い。

とにかく、確かめないと。こんなこと信じられない。

鏡が見たい。 カーテンを開けると保健室の先生がいた。

「無理に起き上がっちゃダメよっ!もう大丈夫なの?」

「先生、鏡見せてください。」
ああ、私が発してるこの声は片山くんだ。

「たんこぶが見たいの?どうぞ。」
手鏡を渡された。

見ると…

その姿は大好きな片山くん、だ。

わかった瞬間、手汗が止まらない。足が微かに震えてるのが分かる。

え え? このまま、私の人生はこのまま?ん?あれ、え?あ、あっ。
どうすんのこれ?は?


涙がこぼれた。
「え、ちょっと!!!!!!!!!片山くん大丈夫なのっ?そんなに痛いの?」

「いえっ…」

「泣くほど痛いのね!?お母さんには連絡してあるからもうすぐくると思うわ!!! 病院に行きましょう。」

どうしよう… 入れ替わったなんて信じてもらえるわけ無い。

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