犬系男子を被った王子様
「ここの解き方違うよ!」
微笑む犬川君に、私はどう答えていいのか分からない…
口を開こうとしたら、
「こら、まだ残っているか!中間近いからそろそろ帰れよ」
急に教室のドアが開いたかと思えば先生だった。
「あ~あ、時間切れだね」
そう言って椅子から立ち上がる犬川君。
私も慌てて立ち上がりワークを揃えて鞄に詰め込んだ。
「帰ろっか~」
「うん、そうだね、、」
私の頭のなかではさっきの犬川君の言葉がぐるぐると回っていた。