犬系男子を被った王子様
「あの、犬川君、、話はまた後で!待っててください!すぐ戻るので!!!」
私はやけくそになって叫び教室から出ていった。
犬川君は私が大声を出したことにポカーンとして、やがて我に戻り、私の名前を呼んだ気がしたが、私は気付かないふりをしながら裏庭へ走っていった。
息を切らしながら裏庭に来た私。
そこには、もうあの子は来ていた。
私に気がつくと目を細める。
「来た?きちんと一人で…」
「は、はい、、来ましたけど…何の―――」
私がその子に話ながら歩み寄ると私の声はそこで途切れる。
「サイテー…」
私は左頬を触る…。
ジンジンと痛みが走る。
私、、叩かれたんだ…。
でも、何で?
私はその子を見つめる。
「本当にサイテーよ…あんた…」