犬系男子を被った王子様
「まっ、待って!」
立ち去ろうとする、私達を後輩が止める。
さっきとは違って震えているのが分かる。
「おねが、い、、この事紫音先輩には、、」
すると、犬川君は悩むようにして、やがて口を開く。
「、、、じゃあさ、告げ口はしない、、」
すると、後輩はホッとした表情を見せる。
だが、犬川君はクスッと微笑む。
「でも、猫宮さんに謝れよ…」
すると、後輩は目に涙を浮かべながら
「ご、ごめんな、さい」
と、震える声で私に謝ったのだ。
それに、私は小さく微笑み頷いた。