犬系男子を被った王子様
「それ、本当に?本当だよな?!」
あまりの気迫に押される私はコクりと頷くと犬川君に思いっきり抱き締められる。
「い、犬川君?」
「っ、、俺も、好き、猫宮さんの事が…」
思わず言葉を失う私。
犬川君の顔を見ると嬉しそうに微笑んでいる。
「ほ、本当に、、、?嘘、じゃない?」
涙で声が震える。
私の言葉に犬川君は頷く。
「好きだよ…嘘じゃない…」
嬉しさに涙が止まらない。
私は犬川君の裾をつかむ。
犬川君はそれに答えるように私を強く抱き締める。
やがて、離れる私たち。
何分こうしてたんだろう…。
「本当は俺から言うべきなのになぁ…猫宮さん、、俺、これから本気でいくからね?」
「えっ!?」
怪しく微笑む犬川君に、私はただ覚悟するしかなかった。
今日は彼の本性を知れた特別な日…。