犬系男子を被った王子様
「ここが淋姉の部屋です」
わざわざドアを開けて俺を先に入らせようとする…。
意外に客扱いされてることに少し感動する。
良いところあるじゃないか…ほんのすこし…。
だが、
「じゃあ俺が入った後に」
と、言って涼が先にはいる。
前言撤回だ…。
淋の部屋はきちんと整理整頓されてて綺麗だ。
「ハァ~、ふーん…貴方が淋姉の彼氏か…」
すると、遂に化けの皮が剥がれたのか涼が露骨に嫌な顔をする。
「やっと、お前の化けの皮剥がれたな…」
俺が笑うと、涼もクスッと微笑む。
「あんたも剥がれてるよ…」
お互いに火花が散る…。
すると、そこへ…
「冬夜君!お待たせ!ってあれ?涼君何してるの?」
「あ!淋姉!犬川さんに日頃の淋姉の事を聞いてたんだ!」
コロッと表情を変える涼に俺は呆れた顔をするしかなかった。