犬系男子を被った王子様



「ど、どうしたの?!涼君!」


淋は慌てながら涼に近づくと涼は力なく笑い、


「手を怪我しちゃった…淋姉、絆創膏持ってきてもらって良い?」


「うん、分かったから待っててね」



淋はそう言うと部屋から飛び出して、階段を降りていった。



「とんでもねぇくそ餓鬼だな、、」


「あは?犬川に言われたくないな」


そして、可愛らしい笑顔を見せて、いきなりの呼び捨てで微笑む。


「涼君、絆創膏持ってき、、、キャ!!」


「淋姉!!」


淋が急いで部屋に入ってくると足元の段差につまづいて体制を崩す。


「あぶねー…大丈夫か?」


俺はギリギリで淋をキャッチする。
淋は恐る恐る目を開けるとホッとした顔をして、


「ありがとう冬夜君、助かっちゃった」


困った顔をして小さく微笑む。


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