犬系男子を被った王子様
「いや、平気ならそれで平気だ…」
そう言って俺も微笑む。
涼を見ると少しだけ、顔を歪める。
「あ、やっぱり怪我は気のせいだった、。ごめんね淋姉、、」
「それなら良かった。気を付けてね」
そう言って淋は笑顔を見せる。
だが、涼は喜ぶどころか顔を背けて、
「じゃあ俺、部屋に戻るね…じゃあゆっくり、、」
そう言って淋の部屋から出ていった。
それが、妙に俺の心を騒がせて、、
「ごめん淋、弟の部屋へ行っていいか?」
「ぇ?別に平気だよ?涼君の部屋は隣だからね」
淋の言葉に俺は頷いて涼に続いて淋の部屋から出た。
そして、
バンッ!!
「ノォワ!、、なんだよ、犬川かよ…何かよう?」
露骨に顔をしかめながら俺を見る涼に俺はベッドにドカッと座る。