犬系男子を被った王子様
「じゃ、行こっか…」
と、冬夜君は笑顔で私の手を握った。
「淋は、何か食べたいものとかある?」
「え、と、、、」
私は屋台をチラチラと見る。
すると、フワリと香る甘い食べ物。
「綿あめが食べたい…な、」
照れ臭そうにそう呟くと、冬夜君は
「淋らしいね…よし、買ってくるな!淋は隣の屋台で待ってて!すぐ戻るから」
と、私の頭をポンポンと撫でて綿あめを買いに行った。
冬夜君と、お祭りに行くのは、何だか照れ臭くて思わず顔がにやけてしまう。
すると、二人組の男の人が私に近寄る。
「一人?一人なら俺達とまわらない?」
「やば、、この子めっちゃ可愛い…」
ど、うしよう。冬夜君いないし、、、
知らない人に話しかけられて慌てる私。
どうすれば良いのかも分からなくて周りをキョロキョロする。
「あの、、、人を待っているので、、」
勇気を出してそう答えると、男の人達は笑い出す。