犬系男子を被った王子様
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「ここだよ淋」
「ここなの?」
冬夜君が、連れてきたのは少しお祭りから離れた場所。
「そろそろで、花火始まるよ冬夜君。」
「心配ないって淋」
慌てる私をよそに、冬夜君は私をベンチに座らせて自分も座る。
ヒュ~ドッカーン!!
「わぁ!!すごい!スゴいね!冬夜君!!」
目の前の夜空に綺麗に咲く1輪の花。
私の反応に冬夜君は嬉しそうに微笑む。
「凄いでしょここ。花火がよく見えて」
「うん!スゴいね!」
私も、冬夜君と同じように嬉しそうに微笑む。
「綺麗だね~」
「うん。………ねぇ淋」
冬夜君に呼ばれて、冬夜君の方を向く私。
心臓がドキッと音をたてる。