犬系男子を被った王子様
「淋…お前どうしたんだ?話なら聞くだから!」
「もう決めたの!!!」
私は大声を出す。
そして、紫音君の方へと駆けて行った。
「私は、、紫音君と付き合い、、ま、す。」
「……紫音に何か言われたのか?」
私は一瞬ビクリと肩を震わすが首を横に振る。
冬夜君の視線は冷めたものになっていた。
冬夜君のあんな冷たい視線は初めて見た。
だけど、、、こうでもしないと…守れないの…。
「じゃあ、なんで泣くんだよ…淋」
「それは…。。。」
「はーーーい!そこまで!」
痺れを切らしたかのように紫音君が声を上げた。
そして、冬夜君に近づき笑う。
「残念だね犬川」
「…。」
冬夜君は相変わらず冷たい目をしたままだ。
「じゃあ、そういう事だから。俺の"淋"に近寄らないでね?」
「四宮、お前何したか知らねぇけど、淋になにかしてみろ、ぶっ飛ばすからな。あと絶対に淋は返してもらう。」
その言葉が聞けるだけでもすごく嬉しかった…。
だけど、もうそんな日はきっと来ないよ…