犬系男子を被った王子様
「ふえ、ぅ、、ッ…」
大好き…好きなんだよ冬夜君。
とっても好き…。
冬夜君のあの傷ついた顔が私から離れなかった。
声を押し殺して私は泣いた。
明日から冬夜君とはただの"同級生"だ。
「はぁ…。」
何分泣いてたんだろう。もう外は夕日も見えないくらい暗かった。
下駄箱に向かうと、紫音君がいた。
「やぁ、淋。やっとき────」
紫音君が言葉を言い終える前に私は紫音君の頬を叩いた。紫音君が頬をさする。
「酷いよ。あんな事するなんてありえない。」