犬系男子を被った王子様
「はは、しょうがないだろう?アレしかあいつを傷つける方法はないんだから」
「紫音君は悪魔…だよ。」
私は震える声で言う。
紫音君は悲しむどころか笑いながら、
「最高の褒め言葉だと受け取っておくよ」
と、言って私に鞄を渡した。
「、、ありがと…」
どんなに最低で嫌な奴でも、お礼を述べてしまうのが私の嫌な部分だ。
「じゃあ、帰ろうか」
「う、ん。」
絶対、冬夜君との秘密は私が守るからね。
でも、本当に辛いのはここからだと私はまだ思いもよらなかった。