犬系男子を被った王子様



「な、泣かないで僕……お母さんきっと僕のこと探してるよ!それまでお姉ちゃんと遊んでよ?」



「う、うん」


泣いていた男の子は涙をためながら頷いた。



「え~と…猫宮?だっけ…ありがとな…」



隣にいた宇佐川君は眉を下げてお礼を言った。




「な、い、いいんです!別に、ただ困ってそうだったから…」



私は小さく微笑む。
すると、



「陸!」


「!ま、ママーー!!」



若い女の人が此方に向かってくる。




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