恋検~boys side story vol1~
→俺の幼なじみ
「俺、ずっと前から……好きだった!」
「え……」
長い沈黙の中、俺の心臓の音だけがこだまする。
この音が目の前にいる幼なじみに届いていないか、心配でしょうがない。
ただ、自分の頭の中では、うるさいほどに響き渡っていた。
宿泊研修の一環として設けられた最終日の6時間。
この場をチャンスだと思っている男たちは数え切れないほどだと思う。
大親友の西崎蓮とその彼女である足立友梨は久しぶりに二人で過ごすそうだ。
また、同じ部活で友達の新藤渚(シンドウナギサ)は入学して知り合った植田双葉(ウエダフタバ)に今日思いを伝えると言っていた。
なぎのことは友達として応援しているし、うまくいけばいいなと願っている。
それと同時に素直に思いを伝えられることが羨ましかった。
ただ、他のだれにも渡したくない、その思いだけでさっきまの自由時間は一緒にいたのだった。
目の前に立つ幼なじみは俺の急な告白にいまだに黙ったままでいる。
それもそうだ。
今まで大事にしてきた距離感を壊してまで伝えたかったこと。
急に言われて困るのは無理もない。
うるさい心臓の音を無視し、この沈黙を破って俺は言葉をつづけた。
「未咲、俺と……付き合って下さい」
街路樹の長くのびた影がもう夕暮れ時なのだということを実感させる。
いつも静かなこの並木道が、いつにも増して静かに思えた。
今までずっと閉じていた目をゆっくりとあけ、目の前にいる日向未咲(ヒムカイミサキ)を見つめる。
俺の幼なじみであり、ずっと前から好きだった人の姿を。
「え……」
長い沈黙の中、俺の心臓の音だけがこだまする。
この音が目の前にいる幼なじみに届いていないか、心配でしょうがない。
ただ、自分の頭の中では、うるさいほどに響き渡っていた。
宿泊研修の一環として設けられた最終日の6時間。
この場をチャンスだと思っている男たちは数え切れないほどだと思う。
大親友の西崎蓮とその彼女である足立友梨は久しぶりに二人で過ごすそうだ。
また、同じ部活で友達の新藤渚(シンドウナギサ)は入学して知り合った植田双葉(ウエダフタバ)に今日思いを伝えると言っていた。
なぎのことは友達として応援しているし、うまくいけばいいなと願っている。
それと同時に素直に思いを伝えられることが羨ましかった。
ただ、他のだれにも渡したくない、その思いだけでさっきまの自由時間は一緒にいたのだった。
目の前に立つ幼なじみは俺の急な告白にいまだに黙ったままでいる。
それもそうだ。
今まで大事にしてきた距離感を壊してまで伝えたかったこと。
急に言われて困るのは無理もない。
うるさい心臓の音を無視し、この沈黙を破って俺は言葉をつづけた。
「未咲、俺と……付き合って下さい」
街路樹の長くのびた影がもう夕暮れ時なのだということを実感させる。
いつも静かなこの並木道が、いつにも増して静かに思えた。
今までずっと閉じていた目をゆっくりとあけ、目の前にいる日向未咲(ヒムカイミサキ)を見つめる。
俺の幼なじみであり、ずっと前から好きだった人の姿を。