恋検~boys side story vol1~
宿泊研修3日目の行き先決めもそうだ。

せっかく足立も蓮もいい空気作ってくれたのに……

その日のホームルームも残りわずかという時だった。



「やべぇ…奏羽、今日残り3分だぞ?
どうすんの、まだ一個しか決まってないぜ、俺ら。」

「本当だよ~、あと一週間でほかのところも決めなきゃなんないんでしょ?
他にもやんないといけないことあるし……。」

「そうですよね…皆さん行きたい所は絞れちゃってるんで後は組み立てるだけなんですけど…。」

「班長まとめて!」



この後に続けるべき言葉は分かっていた。

そして、班人から求められている言葉も同じだった。



「じゃあ……」



俺は勇気を振り絞って声を出す。

次の言葉がのどまで出かかった瞬間、ホームルーム終了の鐘が鳴ってしまったのだった。

そして、俺の中の何かが吹っ切れてしまい、本当に言いたかった言葉を言えずに終わった。

挙句の果てには足立から「何で言わなかったの、未咲気付いてないよ!」と長文メールで説教をされた。



「班長と副班長で、スケジュール決めてくる」



ただそれだけだったのにな……

後悔ばかりの毎日に本当に嫌気がさしてしまう。

幼なじみという境界線ほど越えるのが難しいものはないと思う。



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