恋検~boys side story vol1~
「なんだなんだ、西崎も永田も、そろって恋バナ?
お前ら乙女かよ~」

「いいな、なぎは能天気そうで…」

「おい、なぎ空気読めよ、一応へこんでるんだぞ、こいつ」

「そなの?」



すでに着替えを済ませている「なぎ」こと新藤渚が俺たちに近寄って来た。

パッと見チャラいが本当は超素直なんだということは、最近しみじみと分かってきていた。

ちなみに、俺たち3人が所属する男子バスケ部1年の中では1、2位を争う実力の持ち主だ。

中学の時から有名だったし、入学する前から名前だけは知っていたけど……

まさかこんなに面白いやつだったとは。


そういえば、この前言ってた『あいつ』とどうなったんだろ…?



「そういや、なぎはどうなんだよ。
植田がどうとか言ってたよな、入学式のときだっけ?」

「あぁ、まー普通に『お友達』として仲良くしてるけど?」

「絶対それ以上あるよなー、だって植田が俺たちの班になったのも、なぎが植田がいいって言ってたんからだもん」

「まーそれはいろいろあって。
植田、男子と話すの苦手らしくてさ……もっとお話しできたらいいのにって言ってたから。
俺、永田も西崎も信頼してるし仲良くやれると思ったんだ」

「何お前、いい奴だな」

「まさかの優男?」



なぎの言う植田双葉は、クラスでも大人しい子で園芸部とかって言ってたな。

同じ班になるまでは存在程度しか知らなかった。

きっとなぎは、植田の事が『気になっている』んだと思う。


そのことに関してはいつも「どうだろう」とか「それはともかく」とか言ってはぐらかしているけど。




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