重ねた嘘、募る思い
「まず、私がうだうだ説明するより陽の口から全ての誤解を解いた方がいいかもね」
めんどくさくなったのか真麻が全てを陽さんに丸投げした。
あたふたとする陽さんが真麻とわたしを交互に見て、目頭にクッと力をこめる。熱でフワフワしていたような感じが急にしゃきっとしたように見えた。
「そうだね。僕がちゃんと説明する。だけど、うれしくてぼーっとしてるからなにを言ってるかわからなくなりそう。真麻ちゃん、フォローしてほしい」
「りょーかい!」
敬礼ポーズをした真麻を横目で見ると、にひひと歯をむき出しにしてわたしに笑いかける。
そんなおちゃらけた表情もかわいいのが真麻のうらやましいところ。
目の前のゆず蜂蜜茶をぐっと飲み干し、呼吸を整えた陽さんが姿勢を正してわたしのほうを向いた。
「きっと、のんちゃんは知らないことだらけの話を今からするからね。覚悟してて。まず、僕と真麻ちゃんはつき合ってない。それはわかってくれたよね」
そこからっ?
あれだけ否定されたし、その辺はわかってるけど……信じてないと思われているのかもしれない。
陽さんの真剣な告白を自分も真摯に受け止めないといけないような気がした。この場合の告白は『打ち明け話』とでも言うべきなのか。
「僕はずっと前からのんちゃんのことを知っていたんだ」
「は?」