重ねた嘘、募る思い
なんでわたしが怒られたのか一瞬わからなかった。
だけど冷静に考えたらそうかもしれない。
わたしがちゃんと断ればよかったのかも。はっきり断れなかったのは自分の責任だ。なんで陽さんに「迷惑だ」とはっきり言えなかったのだろうか。
それにこれからわたしは真麻と陽さんのキューピッドみたいなことをしないといけない。
どうしてこんなことになってしまったの?
ふつふつと自分の中で何かが燻っている。
それが何なのかこの時のわたしはまだ気づいていなかった。
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伯母さんに真麻用の弁当を渡して予定より早めに家を出た。
キャメルの短めのダッフルコートにピンクベージュのマキシ丈スカートにベージュのムートンブーツ。クリームの耳まで隠れるニット帽をかぶった。
もちろん上下防寒機能ウェア着用。絶対に寒いはずだからこの時期必需品の使い捨てカイロはポケットの中と予備として未開封のものをトートバッグにも忍ばせている。
寒さで手がかじかんで絵が描けないのが一番困るから。なりふり構っていられない。見た目より機能性第一なのだ。