重ねた嘘、募る思い

 ――夢を見た。

 T-Bランドで陽さんと真麻が楽しそうに観覧車に乗ろうとしているところ。
 あのイブの日、わたしが高所恐怖症だからふたりも合わせて乗らないでくれていたのを思い出す。
 だけど今はふたりきりだからなんの躊躇いもなく腕を組んで向かって行く。

 やっぱりわたしがいないほうがふたりだって楽しかったに違いない。
 あの時楽しめなかった分を取り戻すかのようなふたりの後姿を見て、思った。


 ――行かないで


 怖くても乗るから、わたしも一緒に連れて行って!
 大声で叫んでいるつもりなのに気づいてもらえない。

 声にならない気持ちが溢れ出す。
 縋りつくようにしてふたりの背中を追いながら手を伸ばしているのに届かない。

 もうひとりはいやなの。ううん、そうじゃない。

 わたし、陽さんのことが――
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