重ねた嘘、募る思い
9.苦言を呈する両親とわたし
ぼんやりと二日間の休日を過ごしてしまっていた。
昨日の明け方から降り始めた雪は、夕方くらいまで続いて今はやんでいる。
数センチ積もっていたようだけど人が歩く道路はすでに溶けていた。道の端っこの方に汚れた雪の塊が少し残っている程度。
当たり前だけど、明日は仕事。今日は晴れたし道路は凍結してないだろうけど転ばないように気をつけなきゃ。
夕飯の声がかかり、キッチンへ降りると父と母の姿しかなかった。
今日は真麻が日勤で仕事を終えているはずだからもう帰って来てもいい頃だ。そして伯母さんが夜勤の予定のはず。
「真麻は?」
「知り合いの家に行くってさっき連絡が来たわ。たぶん相手は男の子よね」
「そう」
陽さんの家に行ってるんだろう。
いつも真麻は父の向かいに座るからその席がぽっかりと空いている。
隣の空席を見つめながら母の向かいに座って、味噌汁をずずっと啜るとニコニコした父がわたしを見ているのに気づいた。