重ねた嘘、募る思い
 
 居間に移ってこたつでぬくぬくしていたらいつの間にか突っ伏して眠ってしまったようで、気がついたら肩には毛布がかけてあった。
 もしかしてトイレに起きた陽さんがかけてくれたのかもしれない。それとも真麻がもう来たとか。
 テーブルの上に置いておいた携帯を見ると時間は二十一時半になりそうだった。
 そろそろ到着する頃だろう。看病に来てるはずなのに眠っていたら毛布を掛けられるどころか怒ってたたき起こされるだろうし、このタイミングで目覚めてほっとした。
 どのくらい眠っていたのか。
 陽さんに雑炊を作ったのが十九時半くらいだったから、一時間以上眠ってしまっていたことになる。

 陽さんはまだ眠っているだろう。
 今更だけどその姿を確認したくて寝室のふすまをゆっくり開けると、暗がりの中から苦しげにうめくような声が聞こえてきた。

「え」

 思わず足音も考えずに駆け寄り、寝ている陽さんの横に座り込むと玉のような汗を額に浮かべていた。
 
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