重ねた嘘、募る思い
嘘なんかついてないのに。
結局わたしが言ってることは全部嘘だと思われているんだ。
その事実が悲しかった。
自分で蒔いた種かもしれないけど、真っ向から否定されるなんて思ってもみなかったから胸の辺りが針で刺されているかのようにずきずきと痛んだ。
「まあまあ、のんの言ってることが正しいとして、じゃあなんでのんは泣いていたの?」
「――っ!」
揶揄するような真麻の笑みにわたしの顔がかあっと熱くなってゆく。
真麻はわたしの気持ちに気づいているんだ。
だからこんな意地悪なこと。誘導尋問としか言いようがない!
唇を噛みしめて俯くわたしの顔を真麻が挑発するように覗き込んでくる。逃げ場はないと言わんばかりに勝ち誇った笑みを浮かべて。
ずっとわたしを守ってくれるって約束したのに、これじゃ約束が違う。
わたしを陥れるようなことをしているのに、しかもわかっていてやっている真麻はすごく意地悪だ。
これ以上ないってくらい恨みがましい目で真麻を睨みつけると、その笑みはすっと消えて凛とした真顔になっていた。
「ねえ、なんで?」
「っ、それはっ」
まるで男の人と話す時のように言葉が思うように出てこない。
なんでだろうか。相手は従姉妹の真麻なのに。
喉元で言葉がくぐもる。あの視線に威圧されているわけではない。それなのになんで。