白雪姫の王子様




「白雪、じいさんに迷惑かけんじゃねぇぞ? じゃあな」


「う、うん」



──ドキン。



ああ、どうしよう。


くしゃり、頭に乗せられた大きな手に、胸がきゅんと締め付けられる。


何でこんなにも苦しいの?


太一兄ちゃん……私……。


見つめる先の背中が、遠く、遠くなっていく。


折角数年ぶりに会えたのに、もうお別れだなんて早すぎるよ。


寂しいなんて言葉じゃ全然足りない。


もっと話がしたい。


もっと姿を見ていたい。


もっと、一緒にいたい──。




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