白雪姫の王子様
「あっ……あの!」
気づけば走り出して叫んでいた。
そんな私の声に、しっかりと振り向いてくれた彼。
「……また会えるかな?」
ぎゅっと拳を握りしめて、返事を待つ。
「あぁ」
「……っ!」
「もともとじいさん家には、今週の日曜にちゃんとした形で挨拶に伺うつもりでよ。じゃあ、またな」
「うん! またね」
……嬉しい。日曜日か。
また太一兄ちゃんに会えるんだね。
私は幸せいっぱいで、小さく手を振った。