白雪姫の王子様




「あっ……あの!」



気づけば走り出して叫んでいた。


そんな私の声に、しっかりと振り向いてくれた彼。



「……また会えるかな?」



ぎゅっと拳を握りしめて、返事を待つ。



「あぁ」


「……っ!」


「もともとじいさん家には、今週の日曜にちゃんとした形で挨拶に伺うつもりでよ。じゃあ、またな」


「うん! またね」



……嬉しい。日曜日か。


また太一兄ちゃんに会えるんだね。


私は幸せいっぱいで、小さく手を振った。




< 106 / 366 >

この作品をシェア

pagetop