白雪姫の王子様
──……
あーもう、どうしよう。
はぁ……こんなに幸せなことってあるのね。
自分の部屋に上がった私は、ベッドで仰向けになりながらギュッと枕を抱きしめる。
半分諦めかけていた、太一兄ちゃんとの再会。
こんなにも早く、現実のものとなる日が来るなんて……。
夢みたいな出来事を噛みしめるように、枕を抱く腕に力を込める。
太一兄ちゃんがこっちに戻って来ていたこと。また会えたこと。
……そして何より、以前と変わらず接してくれたことが、本当に本当に嬉しかった。
「そうだ!」
ふと思い立った私は、ベッドから飛び降りた。