白雪姫の王子様
「……っ!」
いた。
畳の上に敷いてある布団。すっぽりと覆われてしまっているけれど、その中に確かに人影があった。
ひとまず廊下に身を潜めた私は、じーっとそのタイミングを見計らう。
……うん。今のところ起きる気配はないわね。
よし、行け──。
……ダメだ。行けない。
ふぅ……。
一旦落ち着くのよ、白雪。
まだ時間はあるんだし、焦りは禁物。バレてしまっては、せっかくのサプライズが台無しになっちゃうもん。
私はそろりそろりと近付いていく。
……今だっ!
「久しぶりーーー!」
そう叫ぶとともに、勢いよく抱きついた。
すると──。