白雪姫の王子様




「犀川くん! 帰るの遅かったのね」



訪ねてきた人物の顔を見るなり、私は声をあげた。



「いきなり委員会があってさ」


「委員会って……委員長になったの?」



今日委員会があるっていったら、それしか思いつかない。



「……うん。俺なんか務まらないって言ったんだけど、結局そうなっちゃって」



そういや犀川くん、成績トップだったものね。


それは当然の如く推薦されるに決まってるよ。


優しい彼のことだ。皆からの期待の眼差しに、断るに断りきれなかったんだろう。



「白雪は何か入った?」


「あー、うん。私は、文化委員にね。……じゃんけんに負けて」


「なるほど」



私は露骨に苦笑いを浮かべた。





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