白雪姫の王子様




「……犀川くん?」



どうしたのかな。


見るからに様子がおかしい。


彼はさっきからボーッとしたまま、どこか一点を見つめているのだ。



「それ……」


「ん?」



促されるままに、視線を動かした。


人差し指の指す先──そこには、机の上に置かれた白雪姫の絵本があった。





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