白雪姫の王子様




鼻腔を擽る、お日様みたいな爽やかな香り。


布団の中からふわりと舞って、私を優しく包み込む。


……ん? 


あれ、ちょっと待って。


思い切り匂いを吸い込んで、布団越しにぺたぺたと触ってみる。


お、おじいちゃんって、こんな匂いだっけ? それに、こんなに大きかった……?


急速に膨らんでいく、得体の知れぬ緊張感。


そんなモヤモヤを晴らすべく、恐る恐る布団を剥いで覗き込んだ、そのすぐ後──。




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