白雪姫の王子様
かっ、かっこいい……!
私は言葉を失い、その場で固まってしまった。
だって目の前にいるのは、そこにいる筈のおじいちゃんじゃなく、全く見覚えのない端正な顔立ちの青年なんだから。
そして──私は、とんでもない過ちを犯してしまったことに気づいたのだった。
……どうしよう。布団の上からとはいえ、いきなり知らない人に抱きついちゃったよ!
あぁー! こんなことならやっぱり、ちゃんと確認するんだった。
「結構、大胆なんだね」
「へ?」
な、何……?
その瞬間、今自分がまるで彼を押し倒して馬乗りになっている状態であることを知る。
ひゃ〜〜〜〜っ!!
私は顔を真っ赤にしながら、慌ててその上から飛びおりた。
「あのっ、ごめんなさい! 私、人違いしちゃっ──」
……ん?
いやいや。そもそもなんかおかしくない?
だってこの家は──。
「あ、あなた誰ですか!?」
「ん? ああ、俺は──」
「わかったわ!」
そういうことね!
全てを理解した私は、その人物をキッと睨みつけた。
この人は、そう……。