白雪姫の王子様
──……
……ん?
あ、あれ? おかしいわね。
えーっと。
こっち?
いや違う……あっち、だったかしら?
化粧室から出た私。
急いで由利達の元へと向かおうとしたその矢先、とある深刻な問題に直面したのだった。
──わ、私……どこから来たんだっけ?
記憶という名の直感に頼りに動いてみたものの、歩いても歩いても元いた場所へは辿り着かず、寧ろ……といった具合だ。
断じて認めたくはないけど……認めざるを得ないわね。
「あはは……は」
今私、完全に“迷子”だわ!