白雪姫の王子様




──……



「白雪!」


「犀川くん!」



姿を捉えるなり、私はその名を叫んだ。


……あぁ、もう大丈夫なんだ。


見慣れた顔を見た瞬間、ホッとしたのかほんの少し肩の力が抜けた。



「大丈夫か!? どこもなんともない?」



私の肩を掴みながら、真剣な……心配そうな顔をして訊ねる犀川くん。



「うん」



そっと頷きながら答えると。



「……よかった」



そんな優しい声がすぐ耳許で響いた。





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