白雪姫の王子様




そうして、ある程度落ち着いたところで近江くんと連絡を取った私達。


こっちに来てくれることになった由利達を待つ間、犀川くんはずっと話をしてくれて。


もしかして、私を不安にさせないため……?


そう考えると、胸がキュンと締め付けられた。


何でいつもこんなに優しいんだろう。


その温かさが、私の強張った心をみるみるうちに溶かしていく。


犀川くんが隣にいるだけで、声を聞くだけで、こんなにも安心するなんて。自分でも正直驚いてしまう。


それに、さっきから鼓動が速くなって、何だか身体が火照ったようだ。


どうして……?


この感情は、いったい何なの?





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