白雪姫の王子様




「実はさ、龍介の奴めちゃくちゃモテるってのに、俺の知る限り一回も誰かと付き合ったりしたことがないんだよ」



──えっ。


その時、近江くんの言葉に驚くと同時に、私の頭の中にあるひとつの記憶が浮かび上がった。


それは、犀川くんが以前私に教えてくれた秘密の過去。


やっぱり、犀川くんは今もずっと“あの子”のこと……。



「んで、前に一度、俺の知り合いの女の子を紹介しようとしたことがあんだけど……見事に断られてよ。だから今回、由利とお前の存在は伏せて誘ったんだ」


「……そうだったんだ」



何だか、すごい納得。





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