白雪姫の王子様
過去を繋ぐ赤い糸
なんて気持ちのいい朝なんだろう。
「ん〜~!」
カーテンを開け、陽の光をいっぱいに浴びながら背伸びをする。
──今日は、待ちに待った日曜日。
やっと、また太一兄ちゃんに会えるんだ。
はぁー……早く来ないかなあ。
ほんのちょっと考えるだけで、自然と頬が緩んでしまう。
私は浮かれた気分で部屋を飛び出した。
「あっ」
部屋を出てすぐ、犀川くんとばったり出くわした私は、咄嗟に声を漏らす。
「おはよう」
「お、はよう」
変わらない爽やかな笑顔に、心臓は元気に音を立てて跳ねた。