白雪姫の王子様
「ちょっとおじいちゃん! 何でそれ、先に言ってくれなかったのよ」
「いや~、それがすっかり忘れておってなあ」
「すっかりじゃないわよ、すっかりじゃあ!」
荒らげる声。
自分でも、息が激しく乱れるのがよくわかる。
だって、突然男の子と一つ屋根の下で暮らすことになったって言われても、心の準備なんてすぐに出来るわけないんだもん!
「……まあ何はともあれ、これから暫く共に暮らすんじゃ。運命とでも思って仲良くするがよい」
「……」
何が“運命”なのよ。
ほっほっほっと不気味に高笑いするおじいちゃんに、私は何も返すことが出来なかった。
……って、そんなことより!