白雪姫の王子様
「そんなことはない、けど……」
「それじゃあ、決まりだね」
屈託のないキラキラとした笑顔。
目にした瞬間、自然と顔が綻んだ。
──……
「また来てね」
「おお。元気でな」
「太一兄ちゃんもね」
これからバイトがあるということで早くも帰ってしまう太一兄ちゃんを、私はおじいちゃんと共にお見送り。
手を振ると、その姿はすぐに見えなくなってしまった。
……けど、この前みたいな寂しさは一切ない。
だって。
私は心強い、小さな繋がりを見つけたんだから。