白雪姫の王子様
解けない数式は意外と単純明快で
「由利、ちょっと相談が……」
「どうしたの?」
金曜日の朝。
教室について早々、泣きつくように由利の腕を掴んだ。
──……
「犀川くんと遊園地!?」
「ちょっ、声大きい!」
「ごめんごめん」
人気のない廊下の隅に移動したとはいえ、いつ誰が現れるかはわからない。
一瞬にしてひやりとした私は、咄嗟に辺りを見回した。
……よかった、誰もいない。