白雪姫の王子様
「にしても、案外やるわね彼。女の子を遊園地に誘っちゃうなんて」
そう言うと由利は慣れた様子で腕を組み、にやりと口角を上げる。
「や、それがね? どうも近江くんにチケットをもらったみたいで……」
「あいつが? ……大悟の奴、なかなか気が利くじゃない」
「え?」
「ううん、こっちの話。で、あんたは何に困ってるの?」
一度息をついてから、私はそっと口を開いた。
「えっと……私男の子と2人きりで遊園地なんて、小さい頃に太一兄ちゃんと行った以来だから、正直不安で……。どうしたらいいと思う!?」