白雪姫の王子様




「なるほどねー。白雪は揺れ動いてるわけだ、2人の王子様の間で」



うっ。


鋭い言葉に、思わず苦笑い。



「……ねぇ由利。“好き”って……“恋”って、何?」


「何って、唐突ね」


「私、わかんなくなっちゃって。好きな人が2人って、やっぱりおかしいよね!?」



私は、泣きそうな思いで唇を噛み締めた。



「うーん、解決できるかは難しいけど。とりあえず、私が質問することに素直に感じるまま答えて」



真っ直ぐ私を見る瞳。


しっかりとそれを見つめた私は、徐ろに頷いた。



「問1。白雪姫(さゆきひめ)は突然、太一王子に手をぎゅっと握られました」


「な、何その突飛なシチュエーション!?」



彼女の口から飛び出したのは、思いもよらない質問だった。


何で今そんなこと……?


わけがわからず、疑いの目を向ける。



「いいから、答えを知りたいなら考えるの」


「は、はい」


「さて、白雪姫はどんな気持ちになったでしょう?」



どんな気持ち。


えっと、太一兄ちゃんに突然手を握られたん……だよね?




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