白雪姫の王子様
「一瞬驚いて……。でもすぐに温かくなって、とっても心地好くて、安らぎっていうのかな凄く落ち着いてる」
「じゃあ、それが犀川王子だったら?」
……っ、犀川くん、は……。
「……ドキッてして、状況が理解出来なくて。とにかくパニックで、手汗が酷くなって心拍数が速くなってもう逃げ出したいくらい……緊張、してる?」
反応を窺うように由利を覗き込む。
しかし彼女はというと、私の視線にも眉一つ動かさず淡々と続けた。
「問2。白雪姫は、太一王子に自分が彼を好きだという想いを伝えました。さて、何て言ったでしょう?」
えーっ!? 何なのそれ。
んー……。
「太一兄ちゃん大好き、かな?」
「次、犀川王子に想いを告げました」
「ムリムリムリムリー! そんなこと言えるわけ──」
はっ!
何で……?
何で太一兄ちゃんには言えて、犀川くんには言えないんだろう。