白雪姫の王子様
「さっきはごめんなさい! ……私、あなたのこと怪しい人だと勘違いして、あんなことしちゃって……」
罪悪感でいっぱいの私は彼の傍に駆け寄ると、頭を下げて恥ずかしい早とちりを詫びた。
「気にしないで。俺は平気だから……ね?」
“よかった”
そう、自然と笑みを浮かべた時。
「……っ!」
ふわり、不意打ちで頭に乗せられた手。
爽やかな笑顔に心臓が大きく跳ねる。
私はその顔をまともに見ることができず、少し仰け反りながらそっと顔を背けた……のに。
「……白雪?」
なっ……! 何で覗き込んでくるのぉ!?
か、顔近いしっ、そんなじっくり見つめないでよ。それに初対面でもういきなり呼び捨てって……!
慣れない状況に私はどうすることもできず、ただあわあわとするばかり。
ううぅ、誰か助けて~。