白雪姫の王子様




まずはじっくりと、ファイルの背表紙に書かれている“文化祭”の文字を探していく。


えーっと……。



「お、あったぜ」



私はすぐさま間宮くんの元へ駆け寄った。


棚の一面に、目当ての物が広がっている。


すごい。上の方までびっしり。


これだけあれば、何か参考にできそうね。


私は間宮くんと手分けして、それらをひとまず机の上へ運んでいった。


そして残りはあと、棚の一番上にあるものだけ。


私の身長よりも遥かに高い位置。といっても、精一杯背伸びをすればなんとか手が届きそうな距離だ。


……んーっ!


私は思いきり背伸びする。


ダメ……もうちょっとで届くんだけどな……。


もう一度手を伸ばした、その時──。



「危ないっ!」




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