白雪姫の王子様




「大丈夫か?」


「え、あ、うう、うん! ……それより、間宮くんこそ大丈夫なの?」



崩れ落ちた資料の衝撃を受けたのは、間宮くんの方だ。



「俺はへーき」



そう言って、柔らかに笑ってみせた。



「よかった……。ありがとう」


「上の方は俺に任せて」


「うん」



優しいな……。


なんだかホッとして、自然と頬が緩んだ。


にしても、男の子の身体ってやっぱり大きいんだなぁ。


完全に覆ってくれてたせいか、私には1つも当たらなかったんだもん。


でも。


……これがもし犀川くんだったら私、どうなってたんだ──。


わーーっ! な、何バカなこと……!


頭に浮かんだ邪念を慌てて掻き消した、その時。





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